レバンガ北海道・川崎ブレイブサンダースをホームに迎えるこの3連戦は、今季最後の同地区対決、つまりシーズンの結果に大きく影響する非常に重要な戦いだ。場合によっては地区優勝争い、さらにはチャンピオンシップでの対戦カードにも関係してくる両チームなだけに、一瞬の油断も隙も許されない。これまでの結果はすべて白紙に戻して挑む心構えが必要となる。

先の対戦となる北海道は、リーグトップクラスの数値を誇る平均アシスト数や、昨季と比較して5点以上も上がっている平均得点からもわかるように、徹底されたチームオフェンスを武器にここまで戦い抜いてきた。3月31日の試合では、第1Qで千葉35-12北海道と23点のビハインドを追う展開になったものの、第2Qを千葉17-37北海道で終え一気に巻き返すという驚異的な爆発力を見せている。こうした猛攻を牽引し、チームオフェンスの要にもなっているのが、スコアリーダーの北海道#15 トラソリーニだ。リーグの平均得点ランキングTOP10にも名を連ねているほか、昨年11月に開催されたFIBAワールドカップアメリカ予選ではカナダ代表に選出されており、その実力は折り紙つき。206㎝のビッグマンながら走力も兼ね備えた選手で、インサイドでの#21 エドワーズとのマッチアップはもちろん、トランジションにも十分な警戒が必要とされる。北海道の緻密な連携は中外どこからでも攻撃を仕掛けてくるため、常に集中力を切らさず相手の隙を狙っていきたい。

一方川崎はやはり#22 ファジーカスの存在が圧倒的ではあるが、日本代表への復帰も果たした#14 辻がチームのエースとしても好調を維持していることに加え、平均得点やリバウンドなど各部門で上位の数値を記録する総合力を発揮している。シーズン最終局面を迎えた今、昨季のチャンピオンシップファイナルも経験している試合巧者・川崎は、どのクラブにとっても手強い存在だろう。千葉と川崎のスタッツにさほど大きな差はなく、今回の試合はまさにチームの完成度、自分たちのスタイルを40分間貫き通せるかが勝敗を分ける鍵になる。中でも重要になってくるのはオフェンスリバウンド。前回の対戦では勝利こそ掴めたものの、川崎に倍のオフェンスリバウンドをおさえられ、結果セカンドチャンスでの得点も千葉がわずか2点であったのに対し、川崎は18点も獲得している。両チームともに3Pを打てる選手が多いだけに、ロングリバウンドをどちらの選手がおさえるかで戦局が大きく変わる可能性が高い。そのためにも序盤から相手を圧倒する勢いで試合に入り、早い段階で主導権を握ることが重要だ。

チャンピオンシップを戦い抜く上では、どのチームが相手でも最後まで自分たちのバスケットを崩さずに挑む姿勢が求められる。この3連戦でチームの質をさらに向上させられるように、同じく今季最後の開催となる熱戦の舞台・千葉ポートアリーナを赤いエナジーで満たし、シーズン終盤の天王山を乗り切るための追い風となってほしい。